本人訴訟やってみた3~紛争の要点(請求の原因)【少額訴訟用・汎用】の書き方

訴訟

裁判所公式「民事訴訟・少額訴訟で使う書式」の「訴状(少額訴訟用・汎用)」タイプ内「紛争の要点(請求の原因)」の書き方。

裁判所公式の記載例PDFによると、短文を箇条書き風に書いてあるので、これに倣って書くのがベストだと思うけど、状況説明を多くしなければならない場合、項目ごとの文章が長くなるのはやむを得ないんじゃないか(ボクの場合はそうだった)。

それでも、項目立てをしっかり行って、なるべく簡潔に分かりやすく書くことは心がけるべき。

紛争の要点(請求の原因)とは

紛争の要点(請求の原因)は、「請求の趣旨(「被告らは原告に対し、次の金員を支払え…」等)」の根拠を示す部分。

請求の趣旨が「金返せ」なら、紛争の争点(請求の原因)は「●月●日に金を貸し、▲月▲日に返されるはずが返ってきていない」。

紛争の要点

「紛争の要点」とは、争いの核心となる事実のことで、法律用語や条文などを含まない、いわば「フツーの文章」のことで、簡略な内容で良いとされている(実際に裁判をやってみた印象では、そんなに甘くない)。

請求の原因

一方、「請求の原因」とは、法律用語や条文を含め、法的根拠を示しながら、同時に、法的根拠の裏付けとなる事実を記述したもの。

少額訴訟(を含む簡易裁判)の場合、「紛争の要点」で足りるとされているのは、簡易裁判は、一般市民が利用しやすいように手続きが簡略化されているからで、法律用語や複雑な理論構成は求められておらず、争いの「核心」が伝わればそれで十分という考えに基づいている…そうな。

とは言うものの、事前に弁護士に相談して、どのような法的主張ができるかが分かっている場合や、法学部出身者とか司法試験受験経験者のような人なら、遠慮せずに、法的根拠を示しながら主張すればいいんじゃないのかな?

虚偽表示に基づいた買い物→返金訴訟の場合

虚偽表示に基づいてネットで買い物をし、相手に返金を求めても頑なに拒否されたため、やむを得ず少額訴訟を申し立てることになったような場合、法的な根拠を示しながら主張しないと「お気持ち表明」になってしまいがちで、公平であるべき裁判所としては、立場的に困ってしまうかもしれない。

そんなわけで、弁護士による無料相談が利用できるなら大いに利用すべきだろうし、最低限、ChatGPTやその他のAIに聞くくらいのことはすべきと思われる。

※ボクは、ChatGPTさまさまで、随分と助けてもらいました。

※できれば、Legal AI 無料版 やGooge gemini も併用すべきでしょう。

法的根拠を含んだ書き方の例

ここでは、ボクの裁判で実際に書いたものを…ではなくて、似たような事件がまた発生して、同じように裁判を起こす場合、2026年現在の書式に従って書くなら「こんな風になるかな…」と思われるところを例として挙げてみる。

※「甲●」は証拠資料のこと

※株式会社だましや(仮名)・宇総さぎ子(仮名)の2名が被告の場合

紛 争 の 要 点(請 求 の 原 因)

1 受講料の支払いと返金請求

(1)受講料の支払い

原告は、令和8年7月7日、AI翻訳講座受講料500,000円を支払った(甲1)。

(2)メールによる返金請求

原告は、令和8年8月8日、メールにより返金請求をした(甲2)。

それに対し、被告会社は返金を拒否した(甲3)

2 被告会社に対する返金請求

(1)契約解除に基づく返金請求

本件講座は、受講によって翻訳技能を身につけた後、仕事が紹介される仕組みとなっている(甲4)。ゆえに、本件受講契約は、業務提供誘引販売取引(特定商取引法51条)にあたる。

ところが、契約書面(特定商取引法55条)が交付されていないので、「書面を受領した日から起算して二十日を経過」にあたらず、原告は本件受講契約を解除することができる(特定商取引法58条)。

よって、令和8年8月8日の返金請求は有効であり、被告会社は原告に対し、受講料50万円を返還する義務がある。

(2)取消に基づく返金請求

被告会社は本件講座の勧誘にあたり、数々の虚偽表示、断定的判断の提供、不告知、不利益事実の不告知、欺罔行為を行った(別紙「表示vs実態比較表」)。

ゆえに、原告は本件契約を取り消すことができる(特定商取引法58条の2第1項1号、2号、消費者契約法4条1項1号、2号、2項、民法96条1項)。

よって、令和8年8月8日の返金請求は有効であり、被告会社は原告に対し、受講料50万円を返還する義務がある。

(3)不法行為に基づく損害賠償請求

被告会社が勧誘時に行った数々の虚偽表示、断定的判断の提供、不告知、不利益事実の不告知、欺罔行為、及び誇大広告(特定商取引法54条)は不法行為を構成する。ゆえに、被告会社は原告に対し受講料相当額・50万円の損害を賠償する責任がある(民法709条)。

3 被告宇総に対する損害賠償請求

(1)被告宇総の地位

被告宇総は、被告会社唯一の取締役(代表取締役)にして、本件講座唯一のメイン講師である(甲5)。

(2)被告宇総の不法行為

被告宇総は、本件講座の勧誘にあたり、自ら数々の虚偽表示、断定的判断の提供、不告知、不利益事実の不告知、欺罔行為、及び誇大広告を行った。

特に、一般販売されている書籍の内容を丸写ししたも同然の講義内容(別紙「講義内容vs書籍の内容比較表」)を、あたかも自ら編み出したノウハウを語っているかのように行っていた点は極めて悪質である(自ら編み出したとするノウハウの不存在)。

これら、被告宇総の行為は不法行為を構成し、原告に対して受講料相当額の損害を与えた。よって、被告宇総は、原告に対し、受講料相当額50万円の損害を賠償する責任がある(民法709条)。

4 連帯債務

被告会社と被告宇総の賠償責任は連帯する(会社法350条)。

※実際のボクの裁判では、取締役の第三者責任(会社法429条1項)や法人格否認の法理の主張、慰謝料請求(民法709条・710条)もしているが、複雑になるのでここでは省略する。

>>本人訴訟やってみた4~訴状別紙の書き方

<<本人訴訟やってみた2~少額訴訟 訴状(汎用)の書き方

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